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JSTグループ 島根電機新棟

時間をデザインに取り込む。石(いわ)と雲の建築をテーマに、石見地方の原風景にある、ようなゴツゴツとした石山と、その間をたなびく雲の様な建築。石見と出雲の文化が交じり合う地に、島根らしいワークスペースが求められた。

雨や雪、濡れることで表情の変わる舗装に、風によって移り変わる水面、

季節ごとに花や葉の色で知らせてくれる植栽、種から育ち年月をかけて成長する草木など、竣工後もこの新棟の成長の背景で成熟する風景になればと思っている。

 

雲形の植栽 :建物の足元を飾る「雲形」をモチーフとした低木や地被類。

       東西に長い建物で奥行きのある豊かな空間となるように考案し、

       雲にちなんだ出雲らしい柔らかいランドスケープとなっている。

中高木の植栽:大山山麓で生産された季節感を感じる中高木。

       あえてグネグネ曲がった樹形を植えることで、雑木林にあるような

       自然樹形に囲まれた建物になる。建物の内部からの視線も考慮。

短冊石   :横長な庭を演出する要素とし、短冊状の細長い石を配置した構成。

​       このような石は出雲流庭園にみられ、京都迎賓館などのモダンな日本

       庭園にみられるぎほうであり、石は大根島で産出された石を使用。

ブロック舗装:玄関前などのILB舗装は石州瓦のかけらを混ぜ込んだ特注品。

       赤いチップをアクセントに、表面の研磨を変えたきらりと光るブロックも。

あられこぼし:平たく小さな石を表にし、敷き並べていく敷石の技法。

石垣    :新棟から南西に約13㎞のところにある大田市内の採掘場でとれた石を使用。

       本来はコンクリートの骨材などに使用されるが、あえて石垣に使うことで、

       地元産材の魅力を発見。

レインガーデン:散策路の中に雨水浸透能力を高めた部分を設けえて、周囲から雨水を

        集めて浸透させる。大雨時に地表面の水を一時的に溜めて、雨水が

        敷地外に一気に流れ出ることを抑制。

散策広場    :1周約110mのひょうたん型散策路。程よいアップダウンのウォーキングは

        食後の運動にも。

軒下空間    :地面に埋め込まれたアッパー照明によって水平ラインを美しくみせる。

​         建物の形状を活かした照明デザインは、北側から見た新棟の夜景が美しい。

        

竣工 | 2024.06.19

規模 |敷地面積15,636.94m2

住所 | 島根県大田市波根町800-3

用途|工場(精密電子部品製造)

内容 |ランドスケープ基本計画

   実施設計

   現場監理

施主 | 日本圧着端子製造株式会社​

建築|安藤建築設計室

​施工|たなべの杜

撮影|ZOOM淺川敏

        SATOH PHOTO 佐藤和成


 

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